第三回 大ぼら事業計画、実現できるか?

すぐに実現できそうな計画は、大ぼら事業計画とは言えません。

実現できそうもないのが、大ぼらたる所以です。

 

なぜ、大ぼらを吹くのか!

元気になるためです。

人間、マイナス思考に陥ると悪循環にから抜け出せなくなるのが常でしょう。

ならば大ぼら吹いて(実現の可否は考えない)、ばかばかしさの中に一縷の望みを託した方が打開策を見出せるかもしれません。

 

ゴールと現実のギャップを解消するための具体的な取組みが事業計画、通常は実現するための行動計画を立案するか、ゴールを引き下げるかの何れかです。

しかし、ゴールを引き下げては大ぼらが泣く。荒唐無稽であってもそのままにしておく。

 

とは言え絵にかいた餅を掲げても意味はありません。計画立案のポイントに触れます。

 

ポイント1:年間計画としない

理由 人間のモチベーションは1年間持続できません。

対策 四半期計画とします。(外部に年間計画の提示が必要であれば4回の四半期計画を提示)

3ヶ月程度であれば人間のモチベーションも持続可能で、四半期ごとに何らかの結論(成否は別)を出せば、次につながり、継続することも可能になります。

 

ポイント2:四半期毎の目標(テーマ)を独立させる

理由 連動させると、前の計画が失敗することで以降の計画全てが瓦解します。(親亀こければ子亀もこける)

対策 四半期毎の目標の関連性を持たせない。

例えば、コストダウンを目標に設定する場合、製品群又はコストダウン手法の異なる目標を設定します。年間4テーマで活動すれば1テーマが失敗しても3テーマが成功すれば達成率75%になります。各々の成果を水平展開すれば、裾野が広がり効果も大きくなります。

 

ポイント3:計画立案主体

理由 計画を押し付けられた人間は真剣に取り組みません。(当事者意識がなく責任感もない)

対策 内部資源(リソース)又は外部資源(リソース)を計画立案に参加させる。

第二回で3つの視点での立案を提案しましたが、複数の計画を経営陣(役員を含む)だけの少人数で立案するのは困難です。金太郎飴のような計画が量産されるのが関の山で、効果どころか実効性も伴わない結果となる可能性が高いと思われます。そうならないために全社を巻き込んだ取り組みが重要、そのための視点毎の参加者の指針を示します。

  • 視点1

現状の延長線上であるから、現場に近い計画となります。従って、現場をよく知る担当者を主体とするチームを編成します。計画の統括者は現場の部門長を任命し、責任を持たせます。若手も参加させ、当事者意識を醸成させてもよいと思います。

  • 視点2

現場から多少距離をおいた計画となるため、現場から離れた担当者の参加を促します。社内であれば現場に直接関与しない間接部門、社外であれば顧客やモニターなどの外部資源の参加も重要となります。計画の統括者は部位門長ではやや荷が重い、役員クラスを任命した方が無難になります。

  • 視点3

経営戦略に直結し、最も実現性の乏しい計画となります。ここは、経営者が陣頭指揮を執ることが重要で、経営者の手腕が問われところでもあります。

 

2020年05月06日